【思い出したくない】バスケの試合
小学校高学年になると年に一度、町単位のバスケットボールの試合があった。
町内4校ある5年生以上全員がその一つのK小学校の体育館に集結し、熱いバトルを繰り広げる。
体育が得意な学童にとっては楽しみでもあり、自分の小学校の凄さを見せつけられる恰好の機会なのだ。
私は、体育が大嫌いで、こういった大会は、テンションだだ下がりなのだ。
でも、全員参加なのでしかたない。
他のみんなもわかっていて、私がチームに入る編成になると、
「えーどうしよう、困るー。」
と、迷惑していた。
でも、試合は容赦なく始まる。
ゴール付近にいた時、たまたまこちらにボールが飛んできてキャッチしてしまった。
「チャンス!」
そのままシュートした。
体力はないが、技術が必要なことは得意だったので、気持ちいいくらいストンとシュートした。
歓声が響いた。
にこやかに、チームメイトの顔を見ると、顔を真っ赤にして鬼の形相。
キャプテンが近寄ってきて、胸ぐらを掴み、
「何やってんだよ!自分チームのゴールにシュートするバカがどこにいるんだよ!」
「へっ・・・?」
「自分のゴールにシュートしたら、相手の得点になるんだよ、そんなこともわかんないのっ!」
(しらんかった・・・どっちでもいいと思ってた・・・)
「もう、ボールに絶対触らないでっ、ただコート内に居ればいいから!本当、絶対触らんでっ!!」
実は、その前に2回同じことをやらかしていたので、3度目にはさすがにキレたようだった。
いつも温厚なキャプテンの怒りに圧倒され、その後の試合は出番があってもみんなの動きに合わせて移動するだけにした。(これ以上怒られないように)
しかし、小6時点で160cm弱の身長だったので、相手チームからは無駄にマークされた。
結果、我がG小学校チームは惨敗した。
口には出さないが、「お前のせいだ」という空気は感じ取れた。
その後、どうやって自宅に帰りついたかよく覚えていない。