不思議なつくえ
小学校の給食のパンが、業者には悪いがとてつもなく不味かった。
コッペパンだろうが食パンだろうが、何で出来てるか不明なほど風味が無く驚きのパサつきだった。
当時小食だった私は、パンを完食できず食べ残しを机の奥に隠し、放課後こっそり持ち帰り、道すがら川のフナに千切って与えて帰るのが常だった。(フナすら食い付かない。翌朝も浮いていた (((( ;゚Д゚)))ほんと、何で出来ていたんだ)
終業式の大掃除の時、机の中を空にして休みに入るが、自分の机の奥から、予想以上の乾燥したパンがゴロゴロ出てきた。
(あれ?捨て忘れがこんなに残ってたかなぁ・・・しかし量がおかしいぞ、この机は童謡のポケットに入れたビスケットが叩くたびに増えるあの魔法がかかっている机なのか・・・?)
と思っていたらヒステリー教師にタイミング悪く見つかり、えらく叱られた。
「モズのはやにえか!」って言われて殴られた。
時は流れ同窓会の時、当時仲が少しだけ良かった女子生徒が
「あの時あんたの机にパンを入れたのは私。」と申し訳なさそうに言った。
「残したら先生が怖かったから隙を見て入れてたんだ。」
「そしたら終業式の日に先生に見つかって無実の罪を着せられて叱られる様子を見ていたら、可哀想だなと思ってたんだけど、先生とあんたの様子見てたら可哀想の感情から少し面白いなーっていう感情に変わって、やっぱりあの時言いだせなかったんだよ。」
などと抜かしたので、少しだけイラッとした。
ひとって、自分が一番かわいいんだよな。誰でもね。とても人間らしくていいよ。